真面目
真面目に生きなくていいらしい。むしろ真面目に生きるとまずいことがあるようだ。
さぼったりずるしたりすることは必要なのかもしれない。まぁ限度があるんだろうけど。
肩ひじ張って精一杯やって、その上で成し遂げられなかった自分を叱るのは確かに行き過ぎている気がする。頑張ったじゃないかと、自分ではない人には励ましの言葉を送れるのに。
あれもこれもすれば将来起こるかもしれない何かを回避できるのかもしれないけれど、そんなに物事がうまくいくだろうか。あれもこれもできずにそうして自分を責めてしまって、結局何一つ片付かなかったのなら自尊心が傷つくだけだ。真剣に人生を考えてその無意味さに潰されそうになるくらいなら、そもそもそんな考えを持たないほうがいい。代わりに昼寝でも読書でもゲームでもしていたほうがきっと楽しいだろう。集団の中で他者と比べて自分の能力の低さに落ち込むなら、比べないほうがいいのだ。もとより他所の芝は青く見えるものなんだから。
仕事から帰って一日を振り返り、あれが駄目だったこれが駄目だったとバツばかりを付けていれば、そのツケが人生から色を奪ってしまうことになる。過剰な反省は自分を傷つけるだけだ。自己評価が低ければ振る舞いも卑屈になる。
真面目に生きるのは悪いことじゃない。でも真面目に生きて自身が潰れてしまうなら、それは悲しい生き方だ。
不思議なもので肩の力を抜くことすら勉強しなければ難しい。自分に向き合って初めて、力んでしまっていることに気が付ける。